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極東セレブショー 入場料100円
6月になったというのにしぶとくさむいのぉ…。
北海道はこれからの季節が最高!と高らかに宣言し、短パンに履き替え、蚊取り線香を頭上に灯し、ノリノリで夏に向けてスタートを切ったつもりでいたのだが、みごとに前のめりでずっこけた。今やポータブルストーブの前で体育座りをしております。
薪割りの作業も未だ切れ悪く続いている。
今年は間伐された木が多くて、このままいけば丸二年分ぐらいの量になりそうだ。
1つ割るごとにニンマリ。この大きさは20分はもつな。などと思うと作業に弾みもつくというものだ。この材は寝る前に入れる用だから…、少しデカ目に割っときますか。
昨年は消費量の検討がつかなく、11月と12月はセーブしながら炊いていたのだが、今年は冬のは初めっからガン炊きができそうだ。
あれ?同じようなこと、前にも書いたっけ?
ガンガン炊いてワイハに行こう!
それにしても、ここ(NKK)は初夏にもなろうとしてるこの時期に薪ストーブの話。
おまえにはそれしかねぇのかよ?えっ?思ったっしょ?
だけど別にいいべさ。だって大事なんだもん。
薪が切れたら本当に死ぬんだからさ。それに田舎では薪に戻す人がもっと増えそう。
そんな素人さん(語尾あげで発音して)にアドバイス(偉そうに)。
鋳物のストーブは最初にこれでもかっ!っていうくらいガン炊きして、まずストーブ自体を暖めないと、いつまでーも寒いよ。
つまり、なんていうかな…そのメリハリね。素人さんはそこがね…、どうしてもできないんだよなぁ…(小馬鹿にしたような微笑み)
そこを注意してもらえればね、素人さんでも安全にワイハに行けると思いますよ。
今年の冬は一緒にワイハ行きましょう!
あ~ろは~!!
以上、NKK講座 鋳物ストーブでワイハに行こう!編でした。
今はダッチオーブンっていうの?アレが欲しい。
薪ストーブの火で料理できることを憶えちゃうと(とは言っても自分が料理してるわけじゃないんだけどさ!突っ込まれる前にセルフ突っ込み)、ガスを使うのがすごくもったいなく思える。
カレーとかすごく長く煮るじゃない?当然、その間ずっとガスを出し続けている。
もう見てらんない。
「ママ、きょう、けいたん、カレーじゃなくていいよ! するめがあればがまんできるよ! ねぇ、ママ、するめにしよっ! うん、それがいいよ」
はたして文明というものは、本当に効率的になったのか?それとも単なる効率的風なのか?よくわからない。手を換え品を換えって、グルグル廻ってること自体が重要なだけって気がする。廻っている中身についてはあれこれ深く考えるな。今は周りに合わせるんだ。それよりナイターでも見ようぜ。
6月11日 空からでっかいヒョウが降って来た。
補足する必要もないけど、動物の方じゃなくて、あっちのヒョウ(氷)ね。
ものすごい音を立てて! がるるるるーっ!!
「おっ、オラの子供達がー!!」
葉っぱが出ていた大根がぺちゃんこ。早く植えたカブの葉にはエアガンで撃たれたような穴が無数にできていた。無惨。それにしてもこんなに綺麗に穴が開くんだな。
ちょっと見とれる。瀕死でヤバそうなやつはとっとと抜いて食ってやった。
「ごめんな、守ってやれなくて…」ぱっくんちょ。
帯広では直径3センチだか、5センチだかのも降ったんだと!
そんなの実際見ちゃったら、たぶん逆に笑っちゃうよ。サバイバルゲームだもん。
死んじゃうって!そんなのが当たったら(的)
ちょろ芽が出たばかりの人参のエリアも泥流の通り道となり、彼らもごっそり流された模様。
僕の声かけ野菜。愛着を増すために、おのおのに名前を付けていたのに…。
いっちゃった…。
「さとしー!!、かいとー!!(なぜか今風)、せなーっ!!(なぜか今風)、おーが(兄)!!、にっくー(弟)!!、あくまーっ!!(実際、この名前に役所の許可は出たんだっけ?) 何処だー!! 」
いいさ、これは冒険への出発だ!
何処かで必ず「ど根性人参」として育ってくれよ。
できれば、食べごろになった時にそっと便りをくれ。抜きにいってやるから。
呑気なことを言ってられないのが農家の方達。
ビートにかなりの被害が出たみたいだ。
僕が入ったこの1年だけで「こんなの見た事ねぇぞ」っていうセリフを何回も聞いた気がする。例の強烈な雷もね、落ちるようになったのはここ最近のことらしいです。
農業という仕事はこんなことで根をあげるようなやわなハートじゃ務まらない。
いつものように被害報告を農協に提出してまた出直し。ジョーク交えて笑い飛ばす。
その切り替えが僕から見ると異常に早い。
人間の都合良くきちんと季節が巡り、都合良く暖かくなったり、雨が降ったり。
たぶんそんな年の方が稀なわけで。
自然のすることにいちいち落ち込んだり、頭を抱えてみても何の足しにもならないって考えが、農家の方には長年かけて染み付いたのだろう。
そういう感じ、なんかいいんだよな。決してあきらめではなく、ゆだねるって感じが。
ゆだねる まず語感がいいもん。
札幌にムラとバム平と行った。「ひょうたん」というバンドを見に行くためだ。
カトキチが一番楽しみにしていたのに所用が出来てお留守番。もともとこのバンドはカトキチの知り合いで、カトキチもすごく楽しみにしていたのにね。
富良野での生活が長くなるにつれて、札幌に入るときの印象も変わってきている。
ずいぶん都会やの~。
まぶしすぎるよ、みんな…。 ひゅーひゅーだよっ!!
「札幌の人ってさ、キメキメすぎっていうか、雑誌を真に受け過ぎっていうか、そういう肩に力が入りすぎてる感じが、逆に田舎なんだよな~」
ぐらいの分析が昔は出来ていたはずなのだが、もう今は単なる田舎のおっさんの視点。
「わっ!あの娘、切れ角きつすぎてパンツもう少しで見えそうじゃん!」
「うわ~、アムちゃん、歩いてる人、みんなモデルに見える~!」バム平が興奮気味に話す。
「モデル? 何処よ、何処? 札幌にモデルなんてい… うわっ!本当だ!本当にモデルみたいじゃん! 顔ちいせー!足なげー!」不覚にも自分も興奮。
「あのさっきのモデルみたいな女の子のしてたガラの悪いサングラス、あれさ、セレブグラスっていうんだって。さっき書いてあった。でも笑わない?セレブだよ、セレブ。どちらのセレブ様でしょうか?って話だよな」
よくよく見ると、いるわ、いるわ、セレブグラス。
僕の育ったあの札幌は今や完全にセレブに占領されていた。青春っていいな。
「やっぱ、アレ探す時はちょっと生意気に「セレブグラスある?」って言うのかな?(言わねぇよ)ちょっと言ってみ?「セレブグラスある?」って。ほら、言いなよ」バム平を軽くいじめる。
いやいや、本当に都会はいろんな人がおります。
札幌ってこんなに人が多かったっけ? 前は少ないっていうか寂しくさえ感じたけどな。
今日はお祭りか何かですか?
「あのヒール、平沢じゃ絶対履けないね。車までもたどり着けないね」
いちいちそういうこと考えてしまう僕たち。
実はその朝、僕は下ろしたてのスニーカーを履いて家を出た(いやいや、佐波くん、札幌に出るからって気ばって下ろしたわけじゃないのよ!本当だって!あまりにも白いからさ、ちょっと紫外線で馴染んだ感じにさせたかっただけなのよ。とは言うものの、ムラやバム平には完全にそう思われている)
「なんか靴が白すぎて浮いてるよ」
ムラに言われたその言葉がガッツリ胸にささった。すんげーはずかしい!
必死に弁解するものの、確かに本当にありえないくらい浮きまくっている。
オノボリ上等。
ところがそのオノボリスニーカー。札幌でふと自分の足下を見てみると全然浮いてない!
「あれっ?浮いてなくない?」
「わー、本当だ。全然浮いてない。ここで見ると普通だ普通」
漂白都市のど真ん中では、僕のスニーカーのまばゆさは、昇る朝日の前の30W電球のようなものなのであった。こんなにも物の見え方って変わるのか…。
それにしても人も街もピカピカに見える。
ここにある、ありとあらゆる物がさほど重要には思えない。それがすごく「トゥルーマンショー」っぽく見えておもしろい。みんなセットでみんなキャスト。
本屋でクレーマー役の人を見かけた。僕がちょっと出て、また戻ったらまだ怒鳴ってた。先に並んでたとか、どうとかこうとか、そんな些細なことでレジの子に延々とクレームを言ってる。言ってることが正論ってところがタチが悪い。しかし、どう考えても15分フルに使って主張すべきスケールの大きな話じゃない。完璧にイカレてる。
クレーマー役のおじさん、迫真の演技、おつかれさまでした。今度はいい役回します。
街の中に居るとソーダフロートが飲みたくなります。
その晩、ライブが終わった後、僕らはそのまま夜中に車を走らせ平沢に帰って来た。当然夜の平沢は闇。ちょっとホッとしたのは自分でも意外だった。
実は急いで帰ったのはわけがあって、次の日、平沢では村人総出でセンターの草刈りがあるのだ。一番のお楽しみは草刈りの後に行われるジンギスカン。
その日は年に一度ビールサーバーが持ち込まれで盛大にやるのだ!
少々寝不足だったが気合いが入る。飲むぜぇ!一年の中でこのイベントが個人的には一番好きだ。いろんなつまみをお母さん達が用意してくれていた。
ハウスで作った野菜がもう出て来ている。レタスがバリバリ!ものすごくクリアで青い空。土ぼこり。牛の声。塩ホルモンと猥談。ラム肉とこの地の開拓話。肌触りのある環境。
ここが「トゥルーマンショー」のセットの外側のリアルの世界だと考えるとちょっと笑える。
やっぱこっちの方もおもしろい。お父さん達の話をつまみにビールをガブ飲みする僕。
つまみ(話題)にはこと欠かないのだが、結局いつも宴の最後の方はエロ話になっている感じがするな。エロ話のお礼にはエロ返しを
僕は頃合いを見計らって、つまみのお礼に昨日仕入れた新ネタを
「へー、黒いパンツ半分見せながらかい? そりゃすげぇな、おい!(喜)」
少々脚色して教えてあげたのだった。
今週読んだ105円本
「街で話した言葉」山田太一著
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↓薪割りしか撮るものがないのがバレバレの巻 |
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