So what? it's my life !!




これは映画「コンタクト」の中で主人公のジョディフォスター(以下なんとか)が言ったセリフ。

この映画、おっちゃんめっちゃ好きやねん!
昔から自他とも認める裏矢追系だったこのアタイ。宇宙やタイムマシンを扱ったこの映画を見ないはずはないのだが、それだけの理由でこの映画を何回もみていたわけじゃないの。
何度見てもズコンとやられるのは、主人公であるなんとかの男気!というか、つらぬき通す感じ。ドキュン!ドキュン!ドキュン! 

カ・イ・カ・ン

宇宙の知的生命体からの電波を、星ひとつひとつにアンテナを向けて探すという途方もない研究をしているなんとかに上司はこう言う。

「そんな雲をつかむような研究に膨大な研究費を使うことを、上司としてもうこれ以上許可はできない。しかしそれ以上に、この先もやみくもに続けて、もし何もみつからなかったら全部だいなしどころか、君は皆のいい笑いものだよ!」(たしかそんな感じ)と。 そこでなんとかが言うのが、

「So what? it's my life!!(それがどうしたの?それが私の人生よ!)」っていうセリフ。

ドキュン!ドキュン!ドキュン! 
おっちゃん、そこ、めっちゃしびれるねん!ズコンやられんねん!
ちょっと違うけど、おっちゃんも思うねん。もし自分のやりたいことをな、つらぬくならな、人に笑われるぐらいでちょうどええねん。何故ってな、自分に忠実であればあるほど、人にわかってもらえる可能性は少なくなっていくねん。自分と他人の真ん中は完璧に違うからな、わかるわけないねんか? だから笑われて当然やねん。つまり究極的にはな、笑われてはじめて成功やねん。

関西の人ってメチャクチャな関西弁をしゃべると凄い怒るよね。

やめなはれ! はなれめや! ねやなれは!

実はこの映画のDVDを、僕の家の2階の部屋で見た。
この部屋は雨漏りがひどく、カビが繁殖。それによって、床が腐ってしまっていて、なかなか修復に手間取ったのだがついに作業が終わった。
本当はインターネットを繋げて、(自称)東日本一のハイテクルームにする予定だった部屋だ。
そのもくろみは粉々に砕け散ったが、今ここにローテク多目的鑑賞ルームとして生まれ変わったのだ!
完成も近いある日、その場所で適当に置いたしょぼいスピーカーで、適当に音楽を聴くと、思ったより音がよい!ことに気がついた。壁の一部がななめになっているのが影響していると思うのだが…。
音がもっと良くなりそうだったので、卵のパックを貼った、ご自慢の時計さー。

その日、朝から雨。
外での作業はできそうにない。そこでカトキチやバム平と相談して、その日はダラダラとそのLTKR(ローテク多目的鑑賞ルーム)で、借りてきたDVDを見ようということになった。そして記念すべき完成記念こけらおとしDVDとして選ばれたのが前記の「コンタクト」なのだ。
最近はこの山の中にも、夏が遅ればせながらやってきたと感じるようになった。
しかしこの夏は、ここは本当に北海道か?と思うぐらいに蒸す。また農家の方が頭を悩ますくらいに雨がほとんど降らなかった。

ひさしぶりの恵みの雨、OSIMERI。 

THE OSIMERI DAY 10.21デビュー

詳細は、「OSIMERI」|検索| ←

映画の終盤、雨はさらに激しく、外はかなり暗くなってきていた。
2階のこの部屋では、トタンにあたる雨の音がかなりデカイ。
バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、バチ。 でもそれも、いい感じ、いい感じ。
ビックマン(甲類焼酎 4L 1570円)をガンガンに飲みながら見ていたせいなのか、僕は涙もろくなっていた。クライマックスの審問会のシーンで僕はこみあげて泣いた。外の暗さのおかげで、誰にも気づかれずに―

やっぱりいい映画だなぁ…ぐっすん。

それにひきかえ「たぶん誰にも気づかれていない…」などと、えらい勘違いをしながら、映画の最中にひんぱんに放屁をし続けた輩が一人。(実話) 

なぁ、カトキチよ…。
やはり貴様にはこの映画はもったいなかったか…。

今は何も言うまい。
だって貴様達も敬愛すべきつらぬきまくり隊だから。
貴様達がすごいと思うのは、大自然の中でプリンを焼きながら、なかよく犬と暮らしていることじゃない。そんなポワポワしたものではなく、そんな夢みたいな生活ができるように、現実にそこまで自分達でもっていったってこと。つまりギュッとしたもの。
虫メガネで紙に穴を開けるように、コマネチのすべてを集めて―

ぐっすん。



話は変わって、みんな、みんな、ちゅーもーく!!
じゃん、じゃ、じゃーん! ついに我が家の野菜が採れはじめてきました!! シーン…

うまいものが喰いてー!それもただか、ほとんどただ、もしくは激安で。そしてたんまりと!
それもここに来た大きな理由のひとつだ。

実際にやってみると、畑はね、かなりおもしろいよ。
単純に自分が歳をとったせいだとは思うけど…。
正直、今年はやる気はなかった。そこまでは無理かなと…。
しかし大家さんの「ここじゃ、生らないものはないよー」の力強い言葉に、ダメもとではじめてみた。
ここにきてわかったのは、農家さんによって同じ作物でもわりと作り方はバラバラなんだってこと。作物をつくるというのは想像以上にノウハウと経験が必要で難しいんだ。すなわち、これが絶対!という方法なんてないんだわ。ということは各農家さんの信条がそのまま作物に反映されているってこと。

だから畑作ってクリエイチブだどー!かなり!

大家さんは、元畑のプロだから、そのノウハウを知っている。
いつの時期に、肥料はこうで、こういう間隔で植えて、あと追肥はいつするのかとか、葉が赤黒くなったら水不足とかね。
でもそんな畑のプロである僕らの大家さんは、そういう事をこと細かにいちいち言わない。「とりあえずやってみなさい」と。

僕自身、神経質にオーガニックしか絶対にたべないというキャラではないが(というか、普通に買うのは高くて無理)、どうせ自分で作るならオーガニックでやりたいなとは思っていた。そういうことも、わかってくれているみたいで、除草剤などをつかうときも、かなり配慮してくてた。
そういう感じで割りと放ってくれることにすごく感謝してる。
たくさん生らすこと以上に、その試行錯誤が楽しいんだってことを、わかっていてくれている。いくらがんばっても、僕らの今年の畑は「畑あそび」レベルなのだが、それでも僕らには充分なくらいの収穫はありそうだ。
ピーマンは、「これ、プラスチック製?」と思うくらい、オーガニックでかなり勢いのあるものができた。生で食うと強烈に青臭いんだけど、味がものすごく濃くておいしい。
きゅうりも、えらい自己主張の激しい息子になった。
表面のトゲがかなり鋭く、にぎるのに気をつかうほど。超パンク。
そのパンク息子にみそをつけて、頭から一気にくらってやった。

ぽきん。 

おまえを食らった瞬間、何故かデッドケネディーズの「ホリデイ イン カンボシア」が頭に浮かんだよ。
心底パンクだったおまえに追悼の意味を込めて、とおちゃん、その曲を口ずさんだのさ。

ケイイチ…、R.I.P…。

そして隣の農家さんが自分で食べる用に作った無農薬、無肥料のキャベツも強烈だった。
レタスもバリバリ伝説の域。もうハイオク満タンですよ、意味不明だけど。

なんでも、このあいだ聞いたはなしだと、その青臭さ、食べにくくさせている張本人がミネラルだそうで、よくスーパーで売っている野菜は、食べやすいようにそこの成分を落とした品種なんだと!そうなると、うまいとかまずい以前に、もう意味合いが違ってきちゃてるんだよな。

同じ形してるだけじゃん!!

そういうのもここに来てはじめてわかったことなんだけど。
でも単純に言ったら、自分の口にしたもの以外で自分の体が創られることはないわけで、納得できるものを納得するまで食べられるという気持ちよさ。これね、いいよ。



あとこれもずっと感じてきたことなんだけど、マクロで見たときの食に対する、本当にこんなんで大丈夫なのかなー?っいう思い。
ワーキングプアだの年金制度崩壊だのサブプライムローンだの、森進一だの、いろいろ世間ではいわれているけど、一番根深いのは、俺は食だと思う。一番根深い上にその動きはわかりずらい。

野坂昭如氏が倒れる前に対談の中で言ってたらしいもんね。
これからはヤバくなるから、今すぐ田舎の土地を買って自給自足をはじめろ!って。
あの野坂よ。こりゃヤバいよ。ヤバめどころじゃないよカエルだよ。

都市型生活っていうのは今まで通りあるべきだし、当然これからもなくなるはずもない。それに数字だけみたら、人口の都市への集中って加速してるわけなんだけど、しかしそれとは別に、意識的な選択として違う道を選ぶ人は、この先もっと増えてくるんじゃないか?
別に自分達を肯定してるんじゃないよ。そもそも、僕らもうまくいくのかさえわからないから。でも、何かそういう流れを感じるってこと。
格差社会というよりも、乖離社会っていえばいいのかな。人種がハッキリ分かれてきている気がする。
でもそれぐらいの柔軟性が社会にあるべきだと思うし、これからは自分の頭でどんどん意識的に選択していかなければならない時代だと思う。

ちょっと食から話がそれた。
こっちの農家さんも作物の輸入自由化によって、これからますます厳しくなるっていっていた。僕から見ればどこの農家さんも、すでに相当つつましく暮らしているのにだ。
この土地でもどんどん離農が進んで、以前は学校まであったなんて信じられないぐらいの状態だ。要は一番大事な部分を切り売りしてる。車を買ってもらうために。
他の先進国はそのあたりうまくやっているのに、日本だけ食料自給率が異常に低い。

こりゃ、まるで薄氷の上のジィナーパーチーだど!

永遠に成長をしつづなければ、単に食べることさえに事欠くような、美しい国。
佐波くん、どう楽観的に考えても、これちょっと無理ない?
そういう夢見る時代は、すでに終わったような気がするよ。

それに中国や他のアジア諸国は、これからものすごく食いはじめるよ。肉とか。とにかく牛。だってカルビでしょ、あとタン塩を強烈に食べ始める。もうそれは強烈に。それでタン塩中毒になる。だけどサガリは喰わない。間違いない。サガリは喰わないけど、牛うまいもん。そしてあれだけの人数いるんだもん。関係ないけど、いせやいきたいな。
これから彼らは世界中の牛(本当はエサとなる穀物)を、勢いのついた元で強烈に買い始めるよ。あの人口がいっせいにタン塩をたべはじめたら、タン塩もたまったもんじゃないよ。
「あちき、実はレバーでやんす!」なんて、自分の身元をいつわるタン塩が出現しちゃったらどうするよ?

どうもしねぇな…。

海外によくいく人ならわかるけど、もう全然、円って弱いんでしょ? 食べ物っていっても単純に商品だから、高く買ってくれる方に売れていくだけだからね。もう既になかなか入らなくなってきている食物あるもんね。高く売れる方に流れて。
もしタン塩が入らなくなったとき、この国には何も食べるものは残ってないよ。 近い将来「マグロが食卓から消える日」なんてトンマなレベルじゃなくなると思うんだけど。

さちこ、アイスクリーム食べていれば全然大丈夫だから、だいじょうぶだもんっ!

そんだ!たしかにそんだ。ひとりだったらいいんだ。どうにでもなるから。
よく勘違いされるけど、たぶん僕も独身だったら、ここにはこなかったかも。
ムラはここに来るときに、友達の奥さま連中にこう思われていたに違いない。

「かわいそうに…。「北の国から」きちがいの馬鹿夫に道連れにされるんだわ…」

そう思われてもしょうがないけど、逆だよ、実は逆なんだ!


俺が蛍なんだ…。 

ぐっすん…。






今週読んだ105円本
「タコの丸かじり」東海林さだお著